1. 注記の目的

計算書類の注記は、法人や施設の財産状態や収支・損益の状況をより理解するための補足項目の説明です。注記を分類すると、継続事業、会計方針、補足項目、簿外項目です。

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項目 説明
継続事業 社会福祉法人の事業の継続に重要な疑義が生じているか否かを表します。
会計方針 計算書類に計上する金額の算定に採用した主な計算方法です。
有価証券を保有している場合の期末評価方法、固定資産の減価償却方法、引当金の計上基準等です。
補足項目 計算書類の数値をより理解するための補足説明です。
例えば、基本財産の増減、国庫補助金等特別積立金の増減、
固定資産の取得・売却・処に関する情報等です。
簿外項目 計算書類に未表示なため、財務状況をより正確に理解するための情報です。
関連当事者との取引内容、一部のリース債務の残高、担保資産、
重要な偶発債務、重要な後発事象等で、計算書類に未計上で、
計算書類の利用者には知るべき財務関連情報が該当します。

2. 注記項目

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注記項目 法人 拠点 備考
1. 継続事業の前提に関する注記 不要 対象ない ⇒ 省略可
2. 重要な会計方針 必要項目だけ記載
3. 重要な会計方針の変更 対象ない ⇒ 省略可
4. 法人で採用する退職給付制度
[拠点]採用する退職給付制度
対象ない ⇒「該当なし」記載
5. 法人が作成する計算書類と拠点区分、サービス区分
拠点が作成する計算書類とサービス区分
省略出来ない
6. 基本財産の増減の内容及び金額 対象ない ⇒「該当なし」記載
7. 基本金又は固定資産の売却若しくは処分に係る国庫補助金等特別積立金の取崩 対象ない ⇒「該当なし」記載
8. 担保に供している資産 対象ない ⇒「該当なし」記載
9. 減価償却累計額を直接控除した場合の固定資産の取得価額、
減価償却累計額及び期末残高
間接法表示 ⇒ 記載不要
10. 徴収不能引当金を直接控除した場合の債権金額、
徴収不能引当金の当期末残高、債権の当期末残高
間接法表示 ⇒ 記載不要
11. 満期保有目的の債券の内訳並びに帳簿価額、時価及び評価損益 対象ない ⇒「該当なし」記載
12. 関連当事者との取引の内容 不要 対象ない ⇒「該当なし」記載
13. 重要な偶発債務 不要 対象ない ⇒「該当なし」記載
14. 重要な後発事象 対象ない ⇒「該当なし」記載
15. その他社会福祉法人の資金収支及び純資産の増減の状況並びに資産、
負債及び純資産の状態を明らかにするために必要な事項
対象ない ⇒「該当なし」記載

3. 注意点

1. 継続事業の前提に関する注記

● 事業(法人全体)の継続(存続)に重要な疑義がある場合の注記

2. 重要な会計方針

● 有価証券の評価基準・評価方法
満期保有目的の債権等・・・償却原価法
満期保有目的以外の債権等・・・時価法(時価のないものは移動平均法による原価法)
● 棚卸資産の評価基準・評価方法・・・個別法、移動平均法、総平均法、最終仕入原価法等
● 固定資産の減価償却方法・・・資産の種類(リース資産も含む)、減価償却方法
● 引当金の計上基準・・・徴収不能引当金、賞与引当金、退職給付引当金の計上基準

引当金の記載例

● 賞与引当金 職員賞与の支給に備えるため、支給見込み額のうち当期に属する額及び対応する社会保険料の額を計上している
● 退職給付引当金 職員退職金の支給に備えるため、〇〇〇〇〇福祉事業共助会の退職共済制度に基づく事業所負担累計額を計上している

3. 重要な会計方針の変更

従来から重要な会計方針として注記していた項目の変更です。次に様なケースは該当しません。

● 新たな会計処理方法を採用した場合 ⇒「15.その他~」に記載する
● 固定資産の耐用年数を変更した場合 ⇒「15.その他~」に記載する
● 賞与の支給対象期間が変更になった場合 ⇒「15.その他~」に記載する

4. 法人で採用する退職給付制度

記載例

● 独立行政法人福祉医療機構の実施する退職共済制度[確定拠出型退職給付制度]
● 公益社団法人〇〇県社会福祉事業共助会の実施する退職共済制度[確定給付型 退職給付制度]

6. 基本財産の増減の内容及び金額

● 「当期末残高」の金額は、法人全体の貸借対照表金額と一致します。
● 「当期減少額」は、基本財産の処分等の他に減価償却額も含みます。

12. 関連当事者との取引の内容

① 関連当事者

一. 当該社会福祉法人の常勤の役員又は評議員として報酬を受けている者

二. 前号に掲げる者の近親者

三. 前号に掲げる者の近親者

四. 支配法人(当該社会福祉法人の財務又は営業又は事務の方針の決定を支配している他の法人)

五. 被支配法人(当該社会福祉法人が財務又は営業又は事務の方針の決定を支配している他の法人)

六. 当該社会福祉法人と同一の支配法人をもつ法人(支配法人が当該社会福祉法人以外に支配している法人)

② 関連当事者の詳細

ⅰ 常勤の役員又は評議員として報酬を受けている者とは、概ね週4日以上役員として専ら経営に参加し報酬を得ている者

ⅱ 近親者とは、3親等内の親族及びこの者と特別の関係にある者

ⅲ 支配法人とは、当該法人の評議員の過半数を他の法人の役員・評議員・職員が支配している場合の他の法人

ⅳ 被支配法人とは、他の法人の評議員の過半数を当該法人の役員・評議員・職員が支配している場合の他の法人

③ 注記を要する取引の内容

ⅰ ①の一、二及び三に掲げる者との取引については、事業活動計算書項目、貸借対照表項目に係る取引で、年間1,000万円を超える取引を開示対象にしています。

ⅱ ①の四~六に掲げる者との取引については、Q&Aを参照して下さい。
※ 関連当事者との取引がある場合には注意です。[10/100基準、1,000万円基準]

④ 関連当事者の記載ポイント

ⅰ 所在地欄は、関連当事者が法人の場合には市区町村まで記載し、個人の場合には記載不要です。

ⅱ 資産総額欄は、関連当事者が個人の場合には記載不要です。

13. 重要な偶発債務

保証債務、重要な係争事件の賠償義務等で、将来において事業の負担になる可能性があるものをいいます。その結果として、将来の一定時期には債務が確定する恐れがある場合です。

14. 重要な後発事象

決算日以降に生じた事象であるため計算書類に含まれていない取引であるが、翌事業年度以降の財産状態や経営成績に大きな影響が及ぶ恐れのある場合です。

① 火災、出水等による重大な損害の発生
② 施設の開設又は閉鎖、施設の譲渡又は譲受け
③ 重要な係争事件の発生又は解決
④ 重要な徴収不能額の発生

15. その他・・・資金収支及び純資産増減の状況並びに資産、負債及び純資産の・・・必要な事項

● 固定資産の耐用年数、残存価額の変更
● 勘定科目の使用科目の変更
等が挙げられます。