1. 1年基準(ワン・イヤー・ルール)とは
貸借対照表の資産と負債について、資産を「流動資産と固定資産」と負債を「流動負債と固定負債」に分類する2つの基準があります。正常営業循環基準と1年基準です。
正常営業循環基準では、製造・仕入から販売・回収までの製造や営業サイクルの取引過程の基準で、未収金、貯蔵品、未払金、前受金等が該当します。正常営業循環基準で判断する勘定科目以外は、事業年度末日の翌日から1年以内に現金預金等で回収や支払が行われるか否かで判断します。
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流動資産 | 対応 | 固定資産 |
---|---|---|
1年以内回収予定長期貸付金 | ⇔ | 長期貸付金 |
1年以内回収予定事業区分長期貸付金 | ⇔ | 事業区分長期貸付金 |
1年以内回収予定拠点区分長期貸付金 | ⇔ | 拠点区分長期貸付金 |
前払費用 | ⇔ | 長期前払費用 |
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流動負債 | 対応 | 固定負債 |
---|---|---|
1年以内返済予定設備資金借入金 | ⇔ | 設備資金借入金 |
1年以内返済予定長期運営資金借入金 | ⇔ | 長期運営資金借入金 |
1年以内返済予定リース債務 | ⇔ | リース債務 |
1年以内返済予定役員等長期借入金 | ⇔ | 役員等長期借入金 |
1年以内返済予定事業区分長期借入金 | ⇔ | 事業区分間長期借入金 |
1年以内返済予定拠点区分長期借入金 | ⇔ | 拠点区分間長期借入金 |
事業未払金 | ⇔ | 長期未払金 |
その他の未払金 | ⇔ | 長期未払金 |
2. 1年基準(ワン・イヤー・ルール)による会計処理
1年基準による勘定科目は、本来は固定資産や固定負債である勘定科目を貸借対照表の表示の都合で流動資産や流動負債に表示するのであって、勘定科目の本質は固定資産の回収であり、固定負債の返済です。従って、資金収支計算書には、「長期貸付金回収収入」や「設備資金借入金元金償還支出」という勘定科目で表示します。年度末の決算修正仕訳は次の通りです。
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借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
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設備資金借入金 [資金へ反映なし] |
1,000,000円 | 1年内返済予定設備資金借入金 [資金へ反映なし] |
1,000,000円 | 1年基準適用による振替 |
リース債務 [資金へ反映なし] |
1,000,000円 | 1年内返済予定リース債務 [資金へ反映なし] |
1,000,000円 | 1年基準適用による振替 |