1. 法人所得に係る税金は次の通りです
実効税率が軽減化します。
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税目 | 税額の計算 |
---|---|
法人税 | 課税標準は法人課税所得 に税率を乗じて計算 |
地方法人税 | 課税標準は法人税額 に税率を乗じて計算 |
法人住民税 | 課税標準は法人税額 に税率を乗じて計算 |
法人事業税 | 課税標準は事業税の課税所得 に税率を乗じて計算 ※資本金等が1億円超の法人には外形標準課税を適用 |
地方法人特別税 | 課税標準は法人事業税額 に税率を乗じて計算 |
2. 法人税の税率の推移
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開始事業年度 所得区分 / 法人区分 | ~H28.3.31 | H28.4.1~H30.3.31 | ~H31.9.30 | H31.10.1~ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年800万円 | 年800万円 | 年800万円 | 年800万円 | |||||
超 | 以下 | 超 | 以下 | 超 | 以下 | 超 | 以下 | |
普通法人(中小法人等以外) | 23.9% | – | 23.4% | – | 23.2% | – | 23.2% | – |
中小法人(一般社団法人等) | 23.9% | 15.0% | 23.4% | 15.0% | 23.2% | 15.0% | 23.2% | 19.0% |
公益法人等(一般社団除く) | 23.9% | 15.0% | 23.4% | 15.0% | 23.2% | 15.0% | 23.2% | 19.0% |
① 平成30年4月1日以後に開始する事業年度の法人税率は23.4%⇒23.2%になります。
② 年800万円以下の所得区分の税率は15.0%になっていますが、法人税法では19.0%に規定していますが、租税特別措置法による時限措置で15.0%に軽減していましたが、適用期限後の平成31年度からは本則の19%に戻ります。
〔参考1〕地方法人税
地方法人税の意味・・・地方税ではなく国税です。従来は法人住民税として自治体が徴収していた税金の一部を国に移行し、国から各自治体に配分する地方交付税の財源にすることを目的にしています。結果として、従来の法人住民税の税率は下がりました。
手続きとしては、法人税の申告納付と同時に合わせて「地方法人税」を申告納付します。税額の計算は、「課税標準額である法人税額」×4.4%です。
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開始事業年度 | 税率 | 備考 |
---|---|---|
~平成30年3月31日 | 23.2%×4.4% | |
~新元号31年9月31日 | 23.2%×4.4% | |
新元号元年10月1日~ | 23.9%×10.3% | 中小法人については増税です |
〔参考2〕法人事業税
ⅰ. 法人事業税(普通法人の標準税率)
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区分 | 年所得区分 | ~H31.9.30 | H31.10.1~ | |
---|---|---|---|---|
普通法人 | 軽減税率 | 年400万円以下 | 3.4% | 5.0% |
年800万円以下 | 5.1% | 7.3% | ||
年800万円超 | 6.7% | 9.6% | ||
軽減税率不適用法人 |
(注1) 上記の税率は標準税率で、適用税率は各都道府県の条例で決定します。適用税率の制限は、1.2倍です。(制限税率)
(注2) 上記の軽減税率は、資本金の額等が1,000万円未満の法人又は、資本金の額等が1,000万円以上でも、事務所等所在する都道府県数が3未満の場合に適用します。該当しない場合は、軽減税率不適用法人になります。
ⅱ. 外形標準課税(法人事業税)の軽減
資本金1億円を超える法人の事業税は、外形標準課税が課されます。
※ 外形標準課税は、「法人事業税額=所得割額+付加価値割額+資本割額」で計算します。
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課税区分 | 課税標準 | ~H31.9.30 | H31.10.1~ | |
---|---|---|---|---|
所得割額 | 各事業年度の所得金額に税率を乗じて計算 | 年400万円以下 | 0.3% | 1.9% |
年800万円以下 | 0.5% | 2.7% | ||
年800万円超 | 0.7% | 3.6% | ||
軽減税率不適用法人 | 0.7% | 3.6% | ||
付加価値割額 | 報酬給与額+純支払利子額+純支払賃借料に税率を乗じて計算 | 1.2% | 1.2% | |
資本割額 | 資本等の金額(資本金額+資本積立金額)に税率を乗じて計算 | 0.5% | 0.5% |
ⅲ. 地方法人特別税
法人事業税の納税者には、地方法人特別税が課されます。その税額計算は、次の通りです。
資本金1億円以下の普通法人、特別法人、公益法人等は、「法人事業税額×43.2%」で計算します。法人事業税の申告納付義務のある法人が納税義務者です。
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課税標準 | 法人の種類 | ~H28.3.31 | ~H31.9.30 | H31.10.1~ |
---|---|---|---|---|
基準法人所得割額 | 外形標準課税法人以外の法人 | 43.2% | 43.2% | 廃止 |
外形標準課税法人 | 93.5% | 414.2% | 廃止 | |
基準法人収入割額 | – | 43.2% | 43.2 | 廃止 |
〔参考3〕法人住民税
法人住民税は、法人税割の税率が次のとおりに改定します。
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開始事業年度 | ~H31.9.30 | H31.10.1 |
---|---|---|
道府県民税 | 3.2% | 3.2% |
市町村民税 | 9.7% | 9.7% |
3. 法人実効税率(法人税、地方法人税、住民税、事業税、地方法人特別税の合算税率)
(1) 法人実効税率の推移
資本金1億円以上の大法人の実効税率の推移の予定です。
29.97%(~H30.3.31) ⇒ 29.74%(H30.4.1~H31.9.30)
大企業の税金の負担緩和 ⇒ 設備投資の増加、 ⇒ 賃金の増加 ⇒ 需要と供給の増加 ⇒ 日本経済の好循環による、適正な物価上昇 ⇒ 2%の経済成長率の確保
というストーリーのようですが、目論見通りに行くでしょうか?
(2) 法人に係る税金の実効税率
法人の係る税金の実効税率の計算式
中小法人の実効税率のシュミレーション
平成30年度の中小企業の実効税率【法人の課税所得を1,000万円とします】
【法人税率】
8,000,000円×15.0%=1,200,000円
2,000,000円×23.4%= 468,000円
合計1,668,000円(実質税率16.68%)
【地方法人税率】
4.4%
【住民税率】
12.9%(標準税率)
【事業税率】
4,000,000円×3.4%=136,000円
4,000,000円×5.1%=204,000円
2,000,000円×6.7%=134,000円
合計474,000円(実質税率 4.74%)
【地方法人特別税率】
43.2%
平成31年10月1日以後開示事業年度の中小企業の実効税率【法人の課税所得を1,000万円とします。】
【法人税率】
8,000,000円×19.0%=1,520,000円
2,000,000円×23.4%= 468,000円
合計1,988,000円(実質税率19.88%)
【地方法人税率】
4.4%
【住民税率】
12.9%(標準税率)
【事業税率】
4,000,000円×5.0%=200,000円
4,000,000円×7.3%=292,000円
2,000,000円×9.6%=192,000円
合計684,000円(実質税率 6.84%)
【地方法人特別税率】
廃止